日産自動車の生産計画モダナイゼーションと開発コストの削減

レガシー化していた中・長期生産計画システムを、最新鋭のクラウド型ソリューションに刷新

日産自動車株式会社(以下、日産自動車)は2022年、レガシー化していた中・長期生産計画システムをクラウド型プランニングソリューションのAnaplanに刷新しました。

ローコード開発の特性を活かして内製化を進めた結果、開発コストを大幅に削減させたほか、ユーザーのポテンシャルニーズを引き出す提案型の開発ができるようになりました。


エンハンスにかかっていた費用と、Anaplanのライセンス費用を比較すると、およそ50%のコスト削減が実現できています
と、ビジネスシステムソリューション本部生産&サプライチェーンマネジメントシステム部の吉田 侑未氏は評価しています。

50%

エンハンスとライセンスの総所要コストが半減

ローコード開発

柔軟かつスピーディな開発が可能に

柔軟性

必要に応じてプロセスの一部にクイックウィンでの導入が可能



日産自動車社のデジタル化を推進するグローバルIS/IT部門は、同社の事業構造改革計画「NISSAN NEXT」に沿って、社内ITインフラのモダナイゼーション(現代化)を推進。その一環として2022年、レガシー化していた中・長期生産計画システムをクラウド型プランニングソリューションのAnaplanに刷新しました。

従来のシステムは、度重なるエンハンス(機能拡張・追加)によって複雑化し、使い勝手やレスポンスの悪さが課題となっていました。
 

内製化の実現によってコスト削減に成功

ISIT部門は、中・長期生産計画システムの刷新プロジェクトチームを2021年に発足。プロジェクトチームは複数の方向性を検討し、最終的にAnaplanへの入れ替えを決定しました。

ビジネスシステムソリューション本部生産&サプライチェーンマネジメントシステム部の吉田 侑未氏は、「外部のSIerにエンハンスを委託しなくても、われわれ自身で機能の追加などができ、開発スピードを早められる点を高く評価しました。日々変化する生産計画にも、Anaplanのローコード開発であれば素早く対応ができます」と語っています。

さらに、内製化すれば、タイムリーに新しい機能を提供し、ユーザーはシステムを使い続けられるようになります。その価値は非常に大きいと吉田氏は感じたようです。

「エンハンスにかかっていた費用と、Anaplanのライセンス費用を比較すると、およそ50%のコスト削減が実現できています」と吉田氏は評価しています。
 

生産計画の作成スピード・精度の向上

ISIT部門は今後、Anaplanを中・長期生産計画業務以外の領域でも活用していく方針だ。ビジネスシステムソリューション本部生産&サプライチェーンマネジメントシステム部主担の角谷 優一氏は、次のように語っています。「現在、工場の生産部門ではエクセルで生産計画の基になる情報を管理し、結果を既存の基幹システムに入力するという業務の流れになっている。このエクセル管理の部分をAnaplanに置き換えることで効率化、標準化し、さらにはユーザーから見た情報の入り口をAnaplanで統合できればと思っています。それによってユーザーがどのような価値を得られるのか、とても楽しみです」

また、生産計画の作成スピードの向上などにも期待が高まっています。「コネクテッドプランニングを実現可能にするAnaplanの強みを生かし、ゆくゆくは、領域を横断した計画の作成スピード・精度を高めていければと思っています」と吉田氏は語っています。

A man seated at a table, using a laptop, gestures with his hand while engaged in conversation.
A woman seated at a table, gazing out of a window, with natural light illuminating the scene.