銀行のための戦略的ワークフォース計画
計画から実行へ:ワークフォース計画遂行のためのよりスマートなアプローチをご紹介します。
Anaplanのプラットフォームを導入してから、全部門を通しての計画にかかる時間が少なくとも30 %削減されたと推測しています。Kirill Barshevsky 氏, ビジネス インテリジェンス部門ディレクター
の頻度を上げることで事業のアジリティを高める
の時間削減を実現し、全部門でより多くの分析機会を生む
の取れた在庫管理で、各倉庫からいつでも必要な医薬品を配送できる体制を整える
顧客の生活の質を向上させることを使命とする企業にとって、スムーズな事業運営は極めて重要です。「フレゼニウス メディカル ケア社には数十ものビジネス ユニットがあり、それぞれが独自の事業モデルやビジネス ドライバー、コストセンターを有しています」と同社のビジネス インテリジェンス部門でディレクターを務め、問題のない円滑な財務運営を担うキリル・バルシェフスキー氏は説明します。123,000人の従業員を抱えるフレゼニウス社は、世界中に4,100を超える透析クリニックを有し、40以上の工場で透析装置や関連機器を製造するほか、医療保険の提供など、さまざまな事業に取り組んでいます。また、財務管理の方法も事業によって異なり、各ビジネス ユニットが独自の基幹システムや総勘定元帳勘定、プロフィット センター、会計方法を有しています。「社内の財務システムを統合する上で、共通の認識を持つことが極めて困難なのです」とバルシェフスキー氏は言います。
その共通言語を作るため、フレゼニウス社は2017年にAnaplanを導入しました。その後、バルシェフスキー氏を中心とするチームは数々のAnaplanモデルの作成と改善を重ね、財務、サプライチェーン及びワークフォース計画をサポートするシステムを確立してきました。今では世界各国で何百人もの人々に利用されています。同チームは、事業の成長に合わせてシステムの拡大と調整を続けています。
現在、フレゼニウス社のビジネス ユニットや部門は、それぞれがAnaplanを利用した独自の財務計画および分析(FP&A)モデルを有しています。また、複雑なビジネス ユニットでは複数のFP&Aモデルを活用しています。「Fresenius Kidney Care部門だけでも10のモデルがあります。この部門の損益計画は非常に複雑で、事業内容ごとに異なるビジネス ドライバーを持つためです」とバルシェフスキー氏は説明します。たとえば、収益、医療用品、医薬品では、費用に影響する要因がそれぞれ異なります。ワークフォース計画について言えば、人件費は企業の財務チームが大枠を作成して予算を決定し、各部門が人員数を計画します。そして、このすべてを可能にするのがAnaplanなのです。
フレゼニウス社では、サプライチェーンにAnaplanモデルを活用し、各チームが医薬品や機器の需要・製造に関する計画を立てています。これらのモデルは主に、感染症の世界的な感染拡大に伴い、アジアからヨーロッパへ医療機器を急いで空輸する必要があったという事態に対応する形で導入されましたが、現在では通常時の事業運営に活用されています。今日、サプライチェーン部門のマネージャーは倉庫管理にAnaplanを利用し、需要の変化に合わせて最適な在庫レベルを調整しながら、高いコストのかかる急ぎの発送を回避しています。Anaplanの在庫最適化モデルを強化するのは、発送業務を支えるAnaplanの自動化ソリューションです。治療計画や特定の医薬品の需要、そしてクリニックが抱える在庫数に基づいて2,700ものクリニックへの医薬品発送を管理します。「Anaplanを活用すれば、患者さんが訪れるタイミングに合わせて必要な医薬品が自動的に届くよう発送を管理できます。使用期限の短い医薬品が大量に届いてクリニックのマネージャーが頭を抱えるといった事態がなくなります」とバルシェフスキー氏は言います。
フレゼニウス社の財務、サプライチェーン及びワークフォースに関する包括的な計画モデルを実現するのは、SAP Business Warehouse社、Workday社をはじめとする複数のHR管理アプリケーションです。そのモデル自体が、一貫した設計基準と高い互換性を持つシステムを使用して確立されています。「たとえば人員計画では、10部門すべてのAnaplanモデルを通して共通の計算方法を使用しています」とバルシェフスキー氏は説明します。「FP&Aにおける重要な要素は部門ごとに異なりますが、分野を通して標準的な共通のアプローチを用いています」。 標準的なアプローチを用いることで、企業の財務チームは、多様な事業モデルを導入する各部門の財務管理は自信をもって統合することが可能になります。さらに、部門間を異動する度に新しいシステムを覚える必要がないため、社員のキャリアアップという点でもこの一貫性はメリットと言えます。
フレゼニウス社では、バルシェフスキー氏が率いるAnaplanセンター オブ エクセレンス(CoE)によって標準化されたアプローチを確立しました。CoE内の人材は、日々の業務のスムーズな運営を実現しながら新たなAnaplanモデルを構築し、規定などの変更に合わせて既存のモデルを見直し、プロセスや統合を自動化します。
さらに、将来に向けた準備を行う上でもCoEは重要な役割を果たします。「財務部門の変革とはつまり、まずは北米全体で、それから残りの世界各地で計画とレポート作成のプロセスを画一化することです」とバルシェフスキー氏は言います。「当社ではすでにコネクテッド プランニングの仕組みを導入しています。今後は、より詳細で精度の高い情報を活用することで組織をさらに成長させ、社内全体で共通の認識を育てていこうという段階です」
変革を進めてきたこの数年間で、すでにいくつかの成果がありました。たとえば、複数の部門で計画頻度が高まったことは初期における大きな変化の1つです。最終的には、データの質を、計画の中の数字から、迅速かつ正確な企業レベルでの意思決定につながる実用的な情報へと変えていくことを目標としています。
バルシェフスキー氏はAnaplanを利用するメリットとして、時間削減、正確性の向上、そして透明性の3点を挙げています。「Anaplanのプラットフォームを導入してから、全部門を通しての計画にかかる時間が少なくとも30 %削減されたと推測しています」とバルシェフスキー氏は言います。「さらに大きな変化として、書面のファイルが大幅に削減されました。各部門が、それぞれのAnaplanモデルの中に信頼できる唯一の情報源をもち、それを財務計画に活用できます」
Anaplanモデルは1つのデータ ハブに接続され、データが共有されているため、財務担当者はデータの出所や利用履歴を追跡できます。「Anaplanのプラットフォームをさまざまな計画業務に利用することで、ストレスも見落としもない自動化されたデータ活用が可能になります」とバルシェフスキー氏は言います。「これにより、企業の体系化や構造化が進み、より透明な運営が実現します」
その結果、会社の対応力が向上します。「一部の部門は、年間フォーキャストから四半期ごとや月ごとのフォーキャストへと予測方法を変更しています」とバルシェフスキー氏は例を挙げます。「Anaplanなしでは不可能だったでしょう」
そして何より、対応力の向上は、患者さんへのサービス向上につながります。「フレゼニウス社では、Anaplanを利用して、患者さんへのサービス提供に必要な人員や物資を計画しています」とバルシェフスキー氏はまとめます。「私たちは、命を救う治療を提供しながら会社の成長を目指します。その実現をサポートするのがAnaplanのソリューションなのです」