消費財サプライチェーン計画をコンカレント プランニングからコネクテッド プランニングへ

AUTHOR

Reggie Twigg

Supply Chain Solutions Manager

統合事業計画で、変化する消費者需要と収益目標のバランスをとり、サプライチェーンのリスクも軽減

変動の激しい消費財業界において、唯一変わらないものが「変化」です。市場の変化を予測し、それに応じてサプライチェーン戦略を適応させる能力は、優位性であるだけではなく、生き残り、成長するために必要不可欠です。

統合事業計画 (IBP) を活用したサプライチェーン管理は、絶えまない混乱が特徴的な環境で、大きな成功を目指す消費財企業にとって極めて重要です。IBP には、疎結合のアプリケーションを利用する方法や、並列または同時実行のプロセスを連携する方法など、 さまざまなアプローチがありますが、コネクテッド プランニングによる IBP は、他のアプローチにはないメリットを提供します。

具体的には、コネクテッド IBP によって、プランニングのプロセス、データ、主要な意思決定を整合させることができ、それらを企業全体に展開できます。これは、変化する消費者需要への対応、サプライチェーンのリスクの排除、市場での優位性獲得を可能にします。このブログが、サイロとスプレッドシート又は結合アプリケーションによる時代遅れのコンカレント プランニング (同時並列計画) 手法から、将来も通用するコネクテッド プランニング戦略へと移行して、IBP を実現するきっかけとなれば幸いです。

従来のアプローチの欠点

今日のサプライチェーン環境は、先行きが見えない中にチャンスが複雑に入り混じるといった様相を呈しています。サプライチェーンリーダーの 60% 以上が、ますますコストがかさみ、複雑性も増していることを認めており、新たな方向へと舵を切る必要に迫られていることは明らかです。従来の連携されていないサプライチェーン管理のアプローチは、幾重にも複雑な条件が重なり、調整に数か月を要することもあり、不確実な経済情勢、消費者行動の変化、容赦なく混乱が発生する消費者環境を前にしては、もはや通用しません。

サイロ化されたデータとコンカレント プランニングのプロセスがトレードマークの従来のサプライチェーン戦略は、ますます実効性を失いつつあります。このような非連携型のプロセスでは、データが断片化し、リアルタイムの可視性が得られないという問題があり、情報に基づいて迅速に意思決定を行うことが困難です。この非効率性は高くつき、在庫切れや余剰在庫といった重大な問題を引き起こします。実際に 2022 年には小売業者の在庫が 7,400 億ドルに急増しており、過剰仕入れと消費者需要の予測のずれが発生していることを明確に示しています。

解決策: IBP 向けのコネクテッド プランニング

コネクテッド プランニングが、これらの課題を解決します。コネクテッド プランニングは、従来の障壁を超えて、財務、営業から人事、マーケティングに至るまで、すべてのビジネス領域を横断したリアルタイムの統合コラボレーションを可能にします。サイロ化されたプランニングやコンカレント プランニングのように、計画を個別に並行で実行したり、順次処理するアプローチとは異なり、コネクテッド プランニングでは、統合エンタープライズ クラウド プラットフォームを介して、財務、販売、マーケティング、労務など、消費財ビジネスのすべての機能領域を横断したシームレスなコラボレーションを確実にリアルタイムで実行できます。

このアプローチなら、総合的に計画業務を進化させ、IBP のレジリエンスと俊敏性を獲得できます。コネクテッド プランニングでは、確率的シナリオによって過去のデータと外部データを統合でき、サプライチェーンやその他の情報を包括的に把握できます。その結果、混乱に耐えるだけでなく、混乱を利用して競争優位を獲得するダイナミックで俊敏なサプライチェーンが実現します。

革新的な未来に向けて直ちに行動を

消費財メーカーは、コネクテッド プランニングを採用することで、サプライチェーン管理を変革し、混乱をチャンスに変えて、長期的な成功と持続可能性を確保できます。さらに、企業がコネクテッド プランニングを採用すると、以下の能力が向上します。

1. 統合とコラボレーションの促進

サイロ化したオペレーションから脱却できます。コネクテッド プランニングでは、全部門間のシームレスな協力が促され、市場の変化に迅速に、足並みを揃えて対応できます。

2. 戦略的インサイトのためのデータ活用

適応性が成功を左右する時代において、高度なアナリティクスを活用し、意思決定中心のアプローチを採用することで、企業は先を見越して混乱に対応していくことができます。Anaplan は、データの力でビジョンを現実のものにできると心から信じています。

3. 戦略とオペレーションの整合性の確保

戦略と実行の断絶は、コネクテッド プランニングによって解消されます。すべての活動を全体的なビジネス目標に整合させることで、市場のダイナミクスに一丸となって迅速に対応できるようになります。

計画、データ、意思決定が連動し、需要に即応

消費財業界におけるサプライチェーン管理の未来は、IBP の導入にかかっています。このアプローチは、従来のシステムの非効率性を解消するだけでなく、サプライチェーンのオペレーションをより大きなビジネス戦略と整合させて、見通しが不透明な中でもレジリエンスと俊敏性を確保します。

将来を考えると、言えることははっきりしています。今日のグローバル市場の複雑さに対処していくには、消費財企業は、コンカレント プランニングからコネクテッド プランニングに移行する必要があります。それにより、IBP を通じて、サプライチェーンの混乱を課題ではなく革新と成長の源泉へと変えることができます。

Anaplan は、サプライチェーン戦略の変革を目指す消費財業界のリーダーに向けて、消費財向け IBP についての新しい eBook を提供しています。コネクテッド プランニングを活用して、次々と押し寄せる混乱を IBP を通じて競争優位に変えることができる、レジリエントで俊敏なサプライチェーンを構築するための総合的なロードマップとして、この eBook をご利用ください。

統合事業計画によってサプライチェーンの課題を乗り越え、競争の激しい消費財業界でアジリティと持続的な成長を実現する方法をご紹介します。