IBP と S&OP、反脆弱なサプライチェーンを築くパートナー

AUTHOR

Reggie Twigg

Supply Chain Solutions Manager


Anaplan での財務、プランニング、実行のコラボレーションにより S&OP と IBP を成功に導く方法をご紹介します。

サプライチェーン管理において、財務、プランニング、実行は、銀行、建築家、建設作業員が協力して家を建てる作業に例えられます。

銀行は、材料費、必要なリソース、プロジェクト期間などを考慮して、予算を設定し、プロセスの財務面を監督します。建築家はブループリントをデザインし、寸法、地形、材料、環境を考慮して実行可能なプランを決定します。計画の承認段階でも、建設中も、修正と微調整を繰り返します。建築家なら誰でも知っているように、優れた計画は、建設上の課題が発生しても、課題に合わせて調整できます。 

一方、施工 (実行) とは、基礎を打ち、壁を建て、屋根を葺くなど、実際に家を建てることです。建築家のプランを確認しながら、リアルタイムで監視することが極めて重要です。施工 (実行) には、実際の取り組み、適応能力、現場、クライアント、資金、外的要因、新しい要件など、変化する現実に合わせて調整する能力も必要です。

財務、プランニング、実行はいずれも、美しく機能的な家 (サプライチェーン) を作るために必要不可欠なものですが、それぞれの役割は大きく異なり、必要とされるスキルも異なれば、働き方も異なります。優れた計画は、実行をガイドし、予算とスケジュールを守りながら、必要に応じて適応します。

イベント駆動型サプライチェーン

今日のサプライチェーンにおけるプランニングと実行の成功ということでは、いずれも変化するビジネス環境への適応を図り、変革を進めている業務部門が複数あります。しかし、銀行、建築家、建設作業員と同様に、これらの業務領域も会社の成功を実現するという共通の目標を持ちながら、実行するスキル、アプローチ、職務は大きく異なり、それがしばしば同質化の障壁となっています。 

Gartner 社は最近、反脆弱なサプライチェーンという概念を提唱しました。これは、組織が緊急時対応計画と冗長システムにより不確実性を乗り切るだけではなく、絶えず適応し、先が見えない中でも成功を収め、機会を見出すことを学ぶというものです。

サプライチェーンはイベント駆動型のエコシステムへと進化しており、営業/オペレーション計画 (S&OP) チームはデータを活用して、需要、ひいてはサプライチェーンに影響する可能性のある市場のトレンド、社会の一時的な障害、地政学的変化を特定します。Gartner 社は、反脆弱なサプライチェーンは、このような混乱を避けるのではなく、混乱の中にこそチャンスがあるとして、積極的に混乱を探し求めるとしています。 

大手消費財メーカーの Lodge 社が、Anaplan の S&OP を使用してキャパシティ計画を変革して収益を拡大し、わずか 1 年で 100% の ROI を達成した事例をご覧ください。
 

断絶を越えた連携

この反脆弱なサプライチェーンを実現する課題は、ほとんどの組織において、S&OP、実行、その他の業務部門は、連携が取られていないこと、プランニング データを適切に共有できていないこと、イベント/機会主導になっていないことです。このような組織は受け身で、サイロ化した状態で動いています。そのため、問題を認識するのに時間がかかり、イベント、その影響、機会に際してすべての関係者が足並みを揃え、意思決定を行うにはさらに時間がかかります。

必要なのは、組織内のサイロ化したグループを連携できる、共通のプロセスとデータです。このとき、プランニング、実行、財務チームだけでなく、マーケティング、人事、研究開発、生産チームも連携するようにします。 
 

統合事業計画 (IBP) の登場

建設現場でも、請負業者、インテリア デザイナー、プロジェクト マネージャーといったその他の関係者が存在するように、リスクやイベントの影響を受け、また、成功に貢献できるその他のプレーヤーが必ず存在します。サプライチェーンでは、需要から供給、価格設定、さらにそれ以外に至るまで、どこが混乱の発生源でも、組織は混乱の影響を受けます。組織がリスクをチャンスに変え、反脆弱なサプライチェーンを実現したいのであれば、ビジネス全体の業務部門が団結する必要があります。  
 

IBPによる連携

S&OP により静的な予測を行い、四半期や半年ごとにその予測を管理する時代は終わりました。現在の技術に詳しい組織は、この従来のモデルを捨てて、S&OP チームが先を見越した対策がとれるようリアルタイムでイベントを監視および予測し、他のチームと共有している IBP と、共有ツール及びデータを使用して、イベントの影響を解釈し、異なる部門をまとめて戦略を調整し、どのような混乱が発生しても、サプライチェーンが稼働、成長できるようにしています。 

他の関係者と連携している IBP ベースの S&OP 業務部門は、その役割を、受け身のリスク緩和から、イベントを機会と見なし、最新のコネクテッド プランニング テクノロジーに基づくプロセスを備えた反脆弱モデルへと変えて、反脆弱なサプライチェーン業務部門として機能しています。

IBPチームは、組織全体のデータを活用することで、より長期的な視点でビジネス予測を立てたり、会社のビジョンをサポートしたりするシナリオ プランニングを実行できます。ただし、IBP チームは、単一のプラットフォーム内でビジネス全体のプランニング データを照合する必要があります。IBP は、同じデータ、同じプロセス、同じソースを使用しているので、従来のように業務部門ごとにサイロ化されたプランニングを統合する手間がかかりません。従来のこの処理は時間がかかり、エラーも発生しがちでした。  

可視性が向上したことで、IBP チームは、営業から財務、生産に至るまで、組織内の主な関係者の意見を聞き、協力し、リスクを評価し、それに応じて戦略を調整する意思決定部門として機能できます。 

コネクテッド プランニングにより、IBP チームと S&OP チームは、不安定性、影響、シナリオを明確に把握できます。また、プランナーは、求める結果に沿った「what-if」シナリオを利用して、潜在的な機会をモデル化できます。  

Anaplan は、定評のあるコネクテッド プランニング アプローチを使用して、S&OP チームと IBP チームが適切な計画を策定できるよう支援します。また、市場の変化に応じてそれらの計画を適応させる機能とインサイトを提供します。さらに、計画を実行するチームと協力してビジネスの成果を変える意思決定をより迅速に行えるようにするツールを提供します。

Anaplan のデモでどのように S&OP と IBP を変革できるかをご覧ください。