連結会計:手法とルール

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子会社を複数持つ企業や組織構造が複雑な企業の財務部門にとって、連結会計は非常に重要な業務です。連結会計では、親会社とその子会社の財務情報をまとめて、連結財務諸表を作成します。連結財務諸表によって、組織全体に対する包括的な視点が得られ、意思決定者は会社の財務健全性と財務能力に対する有益なインサイトを得られます。この記事では、図で例を示しながら連結会計の手法とルールについて掘り下げます。

連結会計について

連結会計は、親会社が 1 社以上の子会社に対して支配的な財務権限を持っている場合に使用されます。一般的には、親会社が子会社の議決権の 50% 超を有する大株主であり、子会社の代理として重要な決定を下せる場合に発生します。

連結会計の主な目的は、財務報告の目的で親会社とその子会社を一つの法人として扱うことにあります。このプロセスでは、すべての子会社の財務データを親会社の財務諸表に組み込み、会社間の取引を消去することで、二重会計を回避し、一つのまとまった法人が報告している形で決算を提示します。

連結会計が重要である理由

連結会計は、いくつかの理由から欠かすことのできないものです。

  1. 法人としての差異:各子会社は別々の法人とみなされ、法人ごとの財務諸表の内容が大きく異なることがあります。連結会計によって、投資家や債権者などの関係者は個別の子会社ではなくビジネス全体の財務状況を正確に把握することができます。
  2. 法令遵守:連結会計によって、法令遵守と財務透明性の確保に欠かせない米国会計基準 (GAAP) 及び/又は国際財務報告基準 (IFRS) を遵守した財務諸表を作成できます。

  3. 適切な意思決定:会社の財務健全性について明確で精度の高い情報が得られるため、エグゼクティブや投資家はより適切に意思決定を下せるようになります。

  4. 比較が可能: 会社の長期的な業績変化の検討や同業他社との比較に使える正確な情報が得られます。

連結会計の手法

連結会計で親会社とその子会社の財務諸表を統合する際に使用される手法は、主に三つあります。

持分法

持分法は、親会社が子会社の資産に対して大きな影響力を持っているものの、完全には管理下に置いていない場合に使用されます。この手法では、親会社は子会社の損益計算書に記載されている純利益のうち、親会社の持ち分を承認します。持分法は一般的に、親会社が議決権株式の 20% ~ 50% を所有している場合に使用されます。

比例連結

比例連結は、会社が他法人の議決権を過半数保有しているが、完全な統合を望んでいない場合に使用されます。子会社の資産、債務、収益、費用を比例配分して、親会社の財務諸表に加えます。この手法は、子会社の活動内容が親会社の本業と大きく異なっている場合によく使用されます。

全部連結

全部連結は、親会社が子会社の議決権を過半数取得し、完全に管理下に置いている場合に適用されます。この手法では、全子会社の収益、費用、資産、債務を親会社の財務諸表に組み込み、連結財務諸表の包括的なセットを作成します。

連結財務諸表

連結財務諸表は、連結会計の要となる資料です。連結財務諸表は、親会社とその子会社の決算を合算したものです。貸借対照表、損益計算書、キャッシュフローが含まれ、財務健全性とビジネス事業体全体の業績を総合的に把握することができます。

連結貸借対照表:親会社とその子会社の資産、債務、株式をまとめたものです。連結法人全体としての財務状態の概要を把握することができます。

連結損益計算書:連結損益計算書は、親会社とその子会社の収益、費用、純利益を合算したものです。ビジネス全体の総合的な財務能力を反映しています。

連結キャッシュフロー:連結法人のキャッシュ インフローとキャッシュ アウトフローを詳細に示したもので、関係者がビジネス内部でのキャッシュの生成状況と使用状況を把握するために役立ちます。

親会社の役割

親会社は、連結プロセスで中心的な役割を果たします。親会社は子会社への監督権を行使し、連結に使用する会計ルールと手法を定めて、財務諸表が GAAP 及び/又は IFRS に準拠するよう努めます。親会社の財務諸表は連結財務諸表の基礎として使用されます。二重会計を防ぐために会社間取引を消去する責任は、親会社が負います。

連結会計の難しさ

多数の子会社が存在する場合や、子会社がさまざまな業界で事業活動を行っている場合、連結会計は複雑なプロセスとなります。グループ内取引がある場合、法人間で会計ルールが異なる場合、財務状況を 1 法人として報告する必要がある場合は、会計部門にとって扱いが困難になる可能性があります。ただし、適切な財務統合ソフトウェアと専門知識があれば、このような課題を効果的に管理できます。

損益計算書に関する考慮事項

連結会計では、損益計算書は連結財務諸表の中で非常に重要な構成要素となります。これには親会社とその子会社の収益と費用が反映され、連結法人の全体的な収益性に関するインサイトを得ることができます。損益計算書は、選択された連結手法 (持分法、比例連結、全部連結のいずれか) に準拠して作成する必要があります。

持分法を使用する場合、親会社の損益計算書に子会社の純利益が反映されます。つまり、子会社の利益のうち、親会社の持株比率に応じた部分のみが親会社の損益計算書に加えられます。

全部連結の場合、全子会社の収益の損益計算書全体が親会社の損益計算書に組み込まれるため、合算された損益計算書に連結法人全体の財務能力が反映されます。

連結会計による財務の透明性確保

連結会計は、子会社とビジネスを行う財務プロフェッショナルや財務チームにとって基本的な業務です。これによって、法人全体の財務健全性と財務能力を財務諸表に正確に反映することができます。

連結会計の手法を使用し、ルールとガイドラインに準拠し、適切な会計ソフトウェアを使用することで、意思決定者、投資家、規制当局者にとって非常に重要な、包括的で透明性の高い連結財務諸表を作成することができます。連結会計について理解することは、財務モデリングを成功させ、会社とその子会社の明確な財務状況を表すために欠かせません。

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